カンティアーモの引退

2025年7月23日、カンティアーモさんの登録が抹消されて競走馬として引退を迎えました。
そして今月9月の引退精算。

一口馬主としての“はじまり”を共にしてくれた大切なお馬さんの一頭。

感謝を込めて、これまでの歩みを写真とともに振り返ります。

目次
ノーザンファームYearlingにて撮影された2022年当時の出資馬カンティアーモ、美しい馬体が印象的な育成中の一枚
リビアーモの21 / Libiamo_21 // カンティアーモ / Cantiamo ノーザンファーム空港にて

はじめてシルクの出資カタログを開いたとき、目に止まった一枚の写真。
それがリビアーモの21、カンティアーモさんでした。

スラリと伸びた四肢と、凛とした立ち姿が忘れられず、抽選時優先馬として申し込み。
血統よりも直感で「この子を応援したい」と自然に思えました。
思えばその一枚の写真が、一口馬主としての一歩目でした。

デビュー戦は新潟の芝1800m。川田騎手を背にかかり気味の先行策。
直線では後続に寄られ、一度先頭を譲ったその後でした。

放牧地では他馬より前に出ようとする気持ちを前面に押し出しており、

その勝負根性は競走馬には欠かせない資質です。

シルク・ホースクラブのカタログより

コメントどおりの勝負根性を見せ、さらに脚を伸ばしゴール板を先頭で駆け抜けるカンティアーモさん。
そして、まさかのレコード勝ち。

一口馬主としての初出走、初勝利を目の前で迎えられたこと。
それは今まで経験のない感動で、帰りの新幹線でも繰り返しレース動画を見ては思い返していました。

2023年7月30日新潟競馬場のメイクデビュー新馬戦でレコード勝利後、ウイナーズサークルに立つ出資馬カンティアーモ
カンティアーモ / Cantiamo メイクデビュー新潟 2歳新馬 ウイナーズサークルにて

その日から私は、ずっとカンティアーモさんを追いかけました。
走るたびに胸が熱くなる。そんな存在に出会えたことが奇跡でした。

2023年7月30日新潟5Rメイクデビュー2歳新馬芝1,800m川田 将雅1着1:46.4 レコード
2023年11月11日京都11RGⅡデイリー杯2歳S芝1,600mT.マーカンド6着1:35.1
2024年3月16日中山11RGⅢフラワーC芝1,800mC.ルメール3着1:48.2
2024年5月18日東京9RカーネーションC芝1,800mC.ルメール1着1:46.8
2025年4月20日中山9R野島崎特別芝2,000mC.ルメール9着1:59.2
2025年5月17日東京9R国分寺特別芝1,800mC.ルメール4着1:48.9
競争成績

初めての競馬場遠征に初めての出資馬のレース、初めての勝利、初めてのレコード、初めての“おたおめ”。
カンティアーモさんがいたから、新潟競馬場にも京都競馬場にも行けた。

そして初めての重賞挑戦。

2023年11月11日京都競馬場のデイリー杯2歳ステークス、パドックで落ち着いた様子を見せる出資馬カンティアーモ
カンティアーモ / Cantiamo デイリー杯2歳ステークス 京都競馬場パドックにて

初めての重賞掲示板、3着。

2024年3月16日中山競馬場のフラワーカップ後、馬着を着て疲れた様子を見せる出資馬カンティアーモの姿
カンティアーモ / Cantiamo フラワーカップ 中山競馬場グランプリロードにて

初めての特別戦勝利。

2024年5月18日東京競馬場のカーネーションカップ、ゴール前で前を行く馬を差し切った出資馬カンティアーモの勝利シーン
カンティアーモ / Cantiamo // クリストフ ルメール騎手 / Christophe Lemaire カーネーションカップ 東京競馬場にて

悔しさもあったけど、誇らしい気持ちが強かった。
エピファネイア産駒特有の口向きの悪さと強さを併せ持つ。

そんなカンティアーモさんに惹かれ、「一口馬主ライフのはじまり」は常に彼女の蹄跡とともにありました。

Xで同じ出資者の方と交流するようになったのもこの子がきっかけ。

彼女を応援する仲間と愛馬情報が更新されるたびに、期待も不安も、喜びも悔しさも分かち合えたこと。
レースが終わったあとにみんなのつぶやきを眺める時間が好きでした。

2025年5月18日東京競馬場の国分寺特別、雨のパドックを落ち着いた様子で周回する出資馬カンティアーモの姿
カンティアーモ / Cantiamoのラストラン、東京競馬場のパドックにて

競馬がもっと楽しくなったのは、お馬さんだけじゃなく人と出会えたから。
次の出資世代のチェルビアットさんと出会えたのも、この“繋がり”からでした。

その中心には、いつもカンティアーモさんがいてくれました。

2024年秋。
GⅡ紫苑ステークスの最終追い切りを目前に左前球節に痛みがあり、直前回避。

前走となる、カーネーションカップから約1年。
2025年7月。
復帰2走目の国分寺特別を走り終えた後、左前繋部浅屈腱炎が判明し、引退へ。

怪我で思うようにレースに出られなかった不運。
でも、調教中やレース中の事故ではなく、まずは無事でいてくれたことが何よりの救いでした。

2025年4月20日中山競馬場の野島崎特別、馬群の外からルメール騎手を背にゴールを目指す出資馬カンティアーモのゴール前シーン
カンティアーモ / Cantiamo // クリストフ ルメール騎手 / Christophe Lemaire 野島崎特別 中山競馬場にて


「なんとなくわかっていたものの実感が湧かない」
「秋にはまた競馬場に会いに行く予定だった」
しかし、“登録抹消”の通知を見て次第に現実味が増し、寂しさが大きくなりました。

正直、引退は寂しい。また、あのスタイルのよい馬体を見たかった。

でも牝馬には“お母さん”という次のステージがあります。
こふぇが出資しているお馬さんに牝馬が多いのは、こうした理由もあります。

血が繋がって、そしていつか子供に出資したい。
また“会える日”が、きっと来ると信じています。

馬見の丘で子連れのカンティアーモさんに出会えたら、最高ですね。

カンティアーモさんが生涯で走ったレースは6走。
その全てを間近で見ることができたのは、とても幸運でした。

そんなレース毎の記憶、フォトギャラリーをぜひご覧ください。

勝っても、負けても、頑張って走る姿に、どんなときも胸がいっぱいになった。
そのすべてが、カンティアーモさんと一緒だったからこそです。

一頭のお馬さんが、私の世界をここまで広げてくれたことに感謝。
出資して、一緒に夢が見れて本当に良かった。

心から、ありがとう。
あなたはこれからも、私の誇りです。

また、いつか。

2025年5月18日東京競馬場で実施された国分寺特別にて、出資馬カンティアーモが実際に着用していたゼッケン。付着した泥や芝、カンティアーモの毛がレースの過酷さを表している。
カンティアーモ / Cantiamoのラストラン、東京競馬場で行われた国分寺特別で、実際に着用していたゼッケン
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